親御さんへ

グリーフを抱えた時に役立つ方法

 子どもが亡くなったことに対処することは、とても孤独な体験かもしれません。困難な時期に、自分自身を助けるために何が必要かをみつけることはとても重要です。以下のようなことが、助けになるかもしれません。

●グリーフを抱えながらも健康を保つ

 最愛の子どもを亡くすということは、感情的にも身体的にも影響を及ぼす非常にストレスの多い出来事です。身体的に健康であれば、グリーフに対処するためのリソースが増えます。 以下のヒントが助けになるかもしれません。

1. シンプルな日常生活を維持する

  • いつも同じ時間に起き、寝る
  • 気がすすまなくても、決まった時間に食事をする
  • 毎日何か仕事や活動をする計画をたてる
  • ToDoリストを書き、毎日1つでもできたらチェックを入れる etc

2. 自分の健康に焦点をあてる

  • なるべく歩くようにする
  • 毎日屋外で何かするようにする
  • 新鮮な食べ物を食べる
  • アルコールの摂取を控える
  • よいセルフケアを実践する一定期的に何かをする
  • 医師の診察を予約する(健康診断等) etc

3. 他の人と社会的につながる

  • 聞き上手で支えてくれる人と一緒にいる機会を探す
  • 圧倒されていると感じたり、サポートが少ないと感じたら、カウンセリングを受ける etc

 子どもが亡くなったことに対処することは、とても孤独な体験かもしれません。困難な時期に、自分自身を助けるために何が必要かをみつけることはとても重要です。以下のようなことが、助けになるかもしれません。

●悲しむ時間を作る

 最初の数カ月は、意図的に旅たった子どものことに集中できるような、グリーフの時間を確保することが大切です。こんなことはしたくないと思っても、グリーフの時間を設けることで、悲しみをコントロールできるようになり、圧倒されなくなります。数日おきに20分か30分、誰にも邪魔されない時間から始めるのも一案です。一人になれる時間帯を計画しましょう。きょうだい児がいらっしゃる場合は、きょうだい児が園や学校に行っている時間帯がよいでしょう。
 以下の項目は、グリーフの時間を設けた時に何をしたらよいかのヒントになるかもしれません。

  • 静かに座って、亡くなった子どものことを考える。
  • 亡くなった子どもに話しかける
  • 自分が泣くことを許す
  • 亡くなった子どもに手紙を書く
  • 写真に目を通す
  • 日記、メモリーブック、フォトブックなどを作る。
  • 亡くなった子どもの物語を書く
  • 自分の中での疑問等があれば書き出す

●初めてのことへの対応

 子どもが亡くなった後、あなたとご家族が直面する初めてのことはたくさんあるかもしれません。母の日や父の日、子どもの誕生日など、準備できるもの(過ごし方など)もあるかもしれません。しかし、近所のスーパーで同じ年頃のお子さんに会うといった突然の出来事に出くわすこともあるでしょう。また、子どもが学校を卒業する時期や、ご家族の結婚式などの重要なイベントなど、何年か先にも初めての反応が起こることもあるでしょう。
 突然やってくる初めての出来事は、いつ起こるか予測できないため、対処するのが難しいことが多いかもしれません。しかし、初めての出来事はいずれも、グリーフの正常な一部であることを自分に言い聞かせることは役に立つでしょう。
 初めて知ることに対処する最善の方法は、たとえそれが何もせず家にいる予定であっても、計画を立てることが大切です。また、前もって以下の問いについて考えておくとよいでしょう。

  • 記念日等(日付)をどのように受け止めますか?
  • 誰と過ごしたいですか? あるいは 誰と過ごしたくないですか?
  • 記念日等をどのように過ごしたいですか?

 悲しんでもいいこと、自分のニーズは他の家族とは違うかもしれない、と自分に言い聞かせることも役立つかもしれません。

●亡くなった子どもとのつながりを保つ

 グリーフのプロセスでは、記憶にある亡くなった子どもとのつながりをどのように維持していくかを考える時間と余裕を与えてくれます。これは、時間とともに進化していくプロセスであり、積極的な役割を果たすことが役立つかもしれません。
 同じように子どもが亡くなった方が参考にされたものには以下のような例があります。

  • 亡くなった子どもの誕生日を祝う
  • 子どものこれまでの軌跡を書く
  • 子どもを偲ぶ活動を支援する
  • 気を許せる友人と連絡を取り合う
  • 他の人と子どもの思い出を語り合う
  • 亡くなった子どものこれまでの軌跡を書く(本やブログにまとめる[自分だけのもので良い]、市販のアプリケーションを使って、オンライン写真や絵本を作る、子どもの成人した姿をイメージした絵を書いてもらう等)
  • 子どもにちなんだものと一緒に過ごす(子どもの顔写真をつけたぬいぐるみ、子どもの洋服を着せたぬいぐるみ、お骨の一部をアクセサリーにする、子どものウエイトドール等)

 子どもにちなんだ物があることで、子どもとの繋がりを感じられる方、物がなくても繋がっていると感じられる方と個人差があるので、自分なりの方法をみつけられるとよいでしょう。

グリーフを抱える親に必要なことは?

 子どもが亡くなったことに対処することは、とても孤独な体験かもしれません。困難な時期に、自分自身を助けるために何が必要かをみつけることはとても重要です。以下のようなことが、助けになるかもしれません。

● 自分の話をする

 子どもを亡くした経緯や、亡くなったことが人生に与えた影響について語るストーリーは、人それぞれです。口頭であれ、文章であれ、自分の話をすることは、何が起こったのか、自分の人生がどのように変わったのかを理解する助けになります。共感してくれる(寄り添ってくれる)友人、心理士、サポートグループへの参加など、亡くなった子どものことを話せる機会を探すのも一つの方法です。

● 悲しむことを自分に許容する

 グリーフについて最も難しいことのひとつは、誰もあなたの代わりになってすることができないということです。悲しみを避けるスイッチや簡単な方法はなく、自分自身にしかできないことです。
子どもが亡くなったあと、あなたの生活がどの程度変化するかは、生活環境やあなたがしなければならない役割の度合いに関係します。もしかしたら、仕事に復帰しなければならないかもしれないし、それまで子どもの世話や診察に追われていた日々を埋める方法を見つけなければならないかもしれません。一人っ子が亡くなったり、お子さんが突然死した場合は、より多くの変化を余儀なくされるでしょう。そのため、自分の感情に正直に過ごしたり、涙を流したり、子どものことを考えたりするといった、自分のための時間を確保することが大切です。

● 地域のサポートを得る

 グリーフは孤独で孤立した体験になりがちですが、家族や友人、ご自分の信仰、カウンセリング、サポートグループ(オンライングループを含む)、書物などのサポートを求めることも大切でしょう。また、自分が経験していることを理解している他の遺族と経験を分かち合うことで、孤独感を和らげることができるかもしれません。医療福祉関係者等に相談すれば、地域のグループや団体を紹介してくれるかもしれません。
 ただし、抑うつや不安が強くなり、自分を傷つけたいと思うような場合は、すぐに医師、公認心理士・臨床心理士、ソーシャルワーカー等に相談しましょう。