よくある質問

自分自身に関する質問

 グリーフに正しいも間違いもありません。悲しむことは、とても個人的な経験なのです。今あなたが悲しんでいる方法は、過去に喪失した後に悲しんだ方法とはまったく異なるかもしれません。すべての人が経験するわけではありませんが、悲しみにはいくつかの共通した特徴があります。 子どもが亡くなった後に、よく見られる反応(症状)

子どもがなくなった後に、よく見られる反応(症状)

身体面
睡眠パターンの変化・疲労・頭痛・衰弱・食欲の変化・体が重い・泣き声
スピリチュアル面
喪失の理由を問う・神への怒り・神の存在を疑う・死の意味を問う・痛みや苦しみの目的、あるいは人生の目的への疑問
感情面
気分の落ち込み・怒り、苛立ち・気が狂いそうになる・不安・罪悪感・ 極度の悲しみや憧れ・子どもなしでは生きられない、子供と一緒にいるために死ねるなら死んでもいいと思う、子どもの代わりに自分が死ねばよかったと思う。
精神面
集中できない・日常生活が困難になる・思い出すことが困難・子どもの死以外のことに集中できない・子どもの死の思い出すことを避ける・子どもに関する鮮明な夢をみる・何かできたのではないかと考える
社会面
社会的接触から孤立する・自分にとって普通ではない行動をとる・感覚が麻痺し、他人から切り離されたように感じる

 このような症状が同じ強さで続いたり、増加したり、日常の生活や機能に支障をきたすようであれば、専門家の助けを求めましょう。

 この質問に対する答えは、「人それぞれ」です。
グリーフの反応やその期間は、子どもの死を取り巻く状況、性格、人生における他の課題や困難への対処法周囲との関係や周囲の反応など、多くの要因に影響されます。

 子どもが亡くなることが稀な現代において、私達の社会は、グリーフに対処することがあまり得意ではないかもしれません。子どもが亡くなった時、周囲の人はなんと言えばよいのか、どのように遺された親・家族をサポートするのがベストなのか、わからないことが多いです。そのため、気まずさや距離感が生じることがあります。また、遺族はできるだけ早く「元通りになる」べきであるという非現実的な期待を寄せられることもしばしばあります。

   しかし、グリーフは、そんなに単純なものではありません。なぜなら、すぐに解決することはありませんし、以前のような日常は存在しません。誰かが亡くなると、特に、子どもが亡くなると、家族の人生は一変し、家族の人生が向かっていた方向も変わってしまうことがあります。

 子どもが亡くなった後、生活は以前と同じではないかもしれません、しかし、新しい日常の中にも笑顔や喜び、楽しさは含まれます。子どもが側にいないという深い悲しさと痛みは、ずっと心に残るかもしれません。しかし、その深さや頻度は、時間が経つにつれて変化します。初めは、その悲しみの深さから呼吸をすることさえも困難に感じますし、生きる希望すら奪われるかもしれません。それでも、時間とともに何かの瞬間を楽しんだり、未来について考えたり、何かに期待することができるようになるでしょう。とはいえ、予想もしない瞬間に悲しみの波が襲ってくることもあります。

家族についての質問

 正解や不正解というのはありません。自分が正しいと感じる方法、もしくは何が自分にとって最も容易なのかを自由に選ぶと良いでしょう。子どもを亡くされた親の中には、あらかじめこの質問への答えを準備しておくことが助けになると感じています。

 親の対応は、人それぞれで、自分自身の好みにもよります。例えば、3人の子どもを持つ親が子どもを1人亡くしてしまった場合、「私の子どもは2人です」と答えて、子どもが亡くなったことの説明を避けるかもしれません。他の親は、「私の子どもは3人で、1人は、天国にいます」と答えるかもしれません。さらに、別の親は、「私には3人の子どもがいます」と答え、子どもたちの年齢を聞かれた時は、「けんは8歳、さらは7歳、しょうは、5歳だったはず」と答えるかもしれません。返答が時間が経つにつれて変わっていったり、相手や状況によって使い分けても問題ありません。大切なことは、その時、その時であなたにとって一番負担の少ない(楽な)反応をすることでしょう。

 子どものグリーフは大人とは異なります。子どもの発達の程度が、死に対する理解に影響を与える可能性があることを理解することが大切です。(個人差があることは、忘れないでください。年齢は、目安です。)乳児(出生から2歳): この年齢の子どものほとんどは、死について理解できません。しかし、子どもはあなたの苦痛やグリーフを感じ取り、悲しんだり、眠りが浅くなったり、騒いだりして、あなたの不在に反応することがあります。

 幼児(3〜6歳):この年齢の子どもは、死について好奇心を持ち、一時的なもの、あるいは可逆的なものと考えるかもしれません(たとえば、死を眠っているものと見なしたり、特定の行動をとったり、"いい子 "になったりすれば、その人は戻って来ることができると考えるかもしれません。)。多くの子どもは、罪悪感を感じ、自分のせいでその人が "いなくなった "と思うことがあります。子どもは、親や介護者のグリーフにとても敏感で、誰が自分の世話をしてくれるのかと心配することがあります。

 学童(7〜12歳):この年齢の子どもたちは、死は最終的なものであり、誰もが死ぬことを理解できるようになります。さまざまな感情を経験したり、自分の死について心配したりすることがあり、自分の感情を識別したり表現したりすることが難しいため、より多くの行動の変化や身体的な不定愁訴(頭が痛い、お腹が痛い、食欲がない、疲れやすい等)を示すことがある。死についての詳細や、死後身体に何が起こるかに興味を示すことがあります。人が死んだのは自分のせいだと考えることもあります。

 中学・高校生((13~18歳):10代の子どもは、人生経験や対処法、大人の行動がなくても、死について大人と同じように理解していることがあります。ティーンエイジャーは、さまざまな感情を経験するが、それをどう処理すればよいのかわからず、気楽に話すこともできません。家族に暴言を吐いたり、無謀で衝動的な行動をとることもあります。友人と過ごす時間が増えたり、友人や家族から遠ざかってひとりになったりするのも、よく見られる行動で、自分の価値観や世界に対する理解に疑問を抱くこともあります。

1.      「死」について語る時は、正直さと簡潔な表現を心がけましょう。特に年少の子どもは、「きょうだいがいなくなった」あるいは「眠ってしまった」というような表現に混乱を感じることがあるかもしれません。

2.      子どもが何か問いかけてきたら、それに素直に答えましょう。また、どのような情報を詳しく説明すべきかを判断するために、子どもにさらに質問を促してみてください。年長の子どもは具体的な内容・情報をより欲しがったり、必要とすることがあります。

3.      可能であれば、子どもがお葬式や追悼イベントの準備に参加できるようにしましょう。その場で何がおこるか(例:黒い服を着た人たちがくる)、何を意味するのかを説明してあげましょう。

4.      「死」に関する家族の宗教的なあるいは信念、捉え方や考え方を共有しましょう。

5.      子どもが話をしたいと思った時に、話を聞く用意があることを伝えてあげてください。いつ話すかは、子どもが決めることです。しかし子どもが話はじめた時には全力で耳を傾け、邪魔をせずに聴きましょう。

6.      子どもが抱く可能性のある感情(例えば、悲しみ、恐怖、怒り、心配、安堵、罪悪感など)を語る場を提供し、それらの感情が落ち着くようにサポートしましょう。自分が同じような感情を持ち、どのように対処したかを例に挙げてあげ伝えるのも良いでしょう。子どもの恐れや罪悪感、心配を解消し、安全で守られていることを保証しましょう。
親自身も傷ついて、自分の感情がきょうだい(他のお子さん)まで気遣える状況ではない場合は、きょうだいのサポートグループなどの活動をしている団体に相談してみると良いかもしれません。

7.      自分の感情についても子どもと話し合い、分かち合いましょう。そうすることで、さまざまな感情を抱いてもいいのだということを示すことができます。また、感情の表現や対処の仕方を教えましょう。子どもに親のことを気遣う必要はないことも伝えましょう。きょうだいについて話すこと、喪失のプロセスを経験することに寄り添いましょう。悲しい時に泣くことは問題ないと子どもに伝えましょう。そのために親御さんが泣いても悪いと思う必要はありません。涙を流すことは、気分を軽くすることがあるかもしれません。日記に書いたり、絵を描いたりするなど、他の感情表現方法を提案するのも良いでしょう。

8.      グリーフは、波のように訪れ、去っていくこと、そしてそれがいつ起こるかは予測できないことを伝えましょう。

9.      できるだけ、日常のルーティン(今までと同じ時間に起きて寝て、幼稚園や学校に行く、日曜日はお買い物にいくなど)を保つように心がけましょう。それが、子どもたちの安定感につながります。

10.   思い出の箱を作ったり、スクラップブックや本を作るなど、亡くなった子どもを偲ぶ活動に参加させてあげましょう。特別な日、例えば、誕生日や祝日にきょうだいを思い出す方法を提案してあげましょう。

11.   子どもが学校に戻るサポートをしましょう。どの程度の内容を学校の先生に伝えるべきか話し合いましょう。誰が安全に話を聞いてくれる人、また一人になるための場所があることを確認しましょう。子どもが学校に戻った後の最初の学期に期待される学業について、話し合うと良いでしょう。

12.   子どものグリーフサポートやグリーフキャンプは、子どもたちがグリーフを理解する他の子ども達と繋がるのに役立つでしょう。子どものグリーフサポートに関する団体

13.   子どもがグリーフを理解できるように、グリーフに関する本を提供するのも良いでしょう。

14.   子どもの行動について心配がある場合は、心理の専門家(カウンセラー等)、または他の精神保健の専門家に相談してみましょう。

15.   10代の子どもは、話す以外の方法で、グリーフの感情を表現することが楽な場合があります。アート(絵を描く、コラージュ写真を作るなど)、日記を書く、悲しい映画や音楽を一緒に見聞きするなど、他の表現方法を提供すると良いでしょう。お子さんが話したい時には話し、落ちつきたい時には静かに座っている時間を提供してあげましょう。

16.   大事な大人、例えば学校の先生、習い事の先生、スクールカウンセラーに最近の喪失について伝えて、お子さんがグリーフとうまく付き合うことをサポートしてもらえるようにしましょう。

 子どもを亡くして悲しむのに、普通や正しい方法はありません。男性と女性ではグリーフが異なる傾向があります。女性はより言葉にして声を出し(話し)、グリーフを表現するために他人を探す傾向があります。男性は、自分の気持ちを話すことに抵抗があり、対処するために何かをすることを見つけることを好むかもしれません。しかし、これは普遍的なことではないので、話すことが苦手な女性もいますし、その逆もあり人それぞれです。

  • 配偶者(パートナー)が悲しんでいることが、その人を癒すために必要なことなのだと、批判せずに、受け入れることが大切です。
  • 配偶者(パートナー)の悲しみ方を変えようとしてはいけません。例えば、ある親は特に辛い日はパジャマを着て、昔の写真を見ながら過ごすかもしれませんが、別の親はジョギングをしたり、何かの活動に取り組んだりするかもしれません。
  • 配偶者(パートナー)が悲しんでいる時は、そっとしておいてあげましょう。
  • もし、配偶者(パードナー)が悲しむことが必要な状況であれば、どのように相手をサポートできるのか尋ねるのも良いでしょう。
  • 自分たちの関係が苦しいと感じたら、個人であれカップルであれ、専門家にアドバイスを求めることも1つの方法でしょう。

 日常生活(食べたり、寝たり、きょうだいのお世話など)がそれなりにできていれば、専門家のカウンセリングは必要ないかもしれません。ただ、不安や焦燥感などで毎日の生活さえ苦しい状況であれば、専門的なカウンセリングは、グリーフを抱えている人にとって役立つでしょう。グリーフを抱える親は、友人や家族が自分たちのグリーフの状況や話に飽きてしまうのではないかと心配することがよくあります。そして、 他の人が不快に感じたり、訪問をやめたりしないように、「幸せそうな顔をする」ことがあります。

 友人や家族ではない人に、批判せずに自分の気持ちを聞いてもらうと、癒されることがあります。多くの親は、子どもの死について後悔、罪悪感、またはトラウマ的な記憶を抱えており、これらのことについてカウンセラーと話し合う必要があるかもしれません。 家族カウンセリングは、家族がグリーフについて学び、それを乗り越える方法を学ぶのに役立つでしょう。グリーフサポートやグリーフ療法のグループが役立つでしょう。 多くの親は、グリーフとうまく付き合うためのヒントを他の人から学び、自分の気持ちを正当化できると述べています。親は、子どもの死を経験した他の親が最もよく理解していると感じることが多いため、死別した親専用のグリーフサポートグループを探すことを好むこともあります。

 あなたまたは家族が次のような場合は、専門家の助けを求める必要があります。

  • 自殺願望がある
  • 重大な睡眠障害または食欲障害が数か月以上続く
  • アルコールまたは薬物の乱用に関与する
  • 子どもの死後、少なくとも1年経っても改善しない重大な機能上の問題がある

 自殺願望があり、自殺願望に基づいて行動する可能性があると考えられる場合は、すぐに助けを求めましょう。

子どもについての質問

 子どもの思い出を敬い、その子どもの生きざまを分かち合う方法は沢山あります。グリーフに暮れているときには、その選択肢に圧倒されてしまうかもしれません。
 子どもの思い出を称えることは、次のようなことを通してできるでしょう(例をあげます)

  • ベッドから出る
  • 誕生日や祝日などの特別な日には、子どものための席を用意する
  • クリスマスツリーを毎年飾る
  • 思い出の箱やスクラップブックを作る
  • 子どもを偲んで、良い行いをする。
  • 子どもの誕生日や命日を特別な行事として思い出す。

 子どもの生きた証をわかちあう方法としては、他にも下記のようなものがあります。

  • 子どもが望んだように自分の人生(あるいは毎日)を生きる
  • ボランティア活動をする
  • 子どもにとって意味のある活動に参加する

何をすべきかは、急いで決める必要はありません。あなたのペースで、あなたとあなたの家族にとって最善と思われることに取り組むとよいでしょう。

 納骨をいつまでにしなければならないというルールはなく、さまざまです。親御さんの気持ちのままにそばに置いていても構いません。ただし、湿気が多いとお骨にカビが生える事もありますので、乾燥材を入れ、定期的に取り替える等の配慮が必要でしょう。親族等のお考え等で、納骨のお話になるかもしれませんが、ご自分の気持ちや個々で違って良い事を伝えてみると良いかもしれません。49日や1年で納骨される方もいらっしゃいますが、親子関係は変わらないと、月命日にお参りに行くなどする方もいらっしゃいます。こうせねばならないという事はありませんので、個々の気持ちをできる範囲で大切にしましょう。

 「子どもの使っていたものや洋服、お部屋など、子どもの思い出に手を付けられない場合もあります。すぐに手を付けられないのも当然です。ご自分が『片づけたい』『きれいに整理したい』と思った時に整理すると良いでしょう。一人ではできない時には、子どもの思い出を語れる人に手伝ってもらうのも1つの方法です。無理に捨てる必要はありません。あちこちに置いてあるものを集めて整理するだけでも気持ちが少し落ち着くかもしれません。

グリーフサポートに関するリソース